『つくづく』vol.13(特集:ブリスターパック)
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『つくづく』vol.13(特集:ブリスターパック)

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「ブリスターパックは開けない」 多くのコレクターにとって、これは常識じゃないだろうか。2000年にはコレクターを描いた、タイトルもそのまま『ブリスター』という邦画もあった。Wikipediaによると“ユウジも「ヘルバンカー」の裏取引を500万円で持ちかけられ、マミと共用にしていた家具を売ってしまい、マミとの仲たがいを決定的なものとしてしまう。”そこからストーリーは、展開されていくーー。 上記の映画はコレクションのために家具を手放すが、旦那の大事なコレクションを売ったことをキッカケに喧嘩して妻が出ていったのは、1998年に放送されたTBS系列ドラマ『ランデブー』のはず。調べたが、あらすじが出てこなかった。たしか、カネゴンかなにかのフィギアを売ったんじゃなかったか。 コレクターは、欲しい物のために奔走し、ときに暴走する。 この『つくづく』という出版プロジェクトもまた、おかしな、暴走とも呼べる状態に入っているのかもしれない。ただ、こうして号を重ねるごとに忘れかけていたことも思い出す。 ぼくは、「枠」にはめるのが好きだ。過去には、友人のはんこ作家にファミコンのコントローラーや、板チョコ、ドアなどを模したはんこをつくってもらい、それをレターセットにして販売したこともある。すこし前に出した「○○ブック」は、自身の“カラーボックス”だったのだ。 さて、なぜ今号はブリスターパック特集なのか。それは、もしかしたら「つくづくのタオルブック」にも、“買ったものの開けられない”というストレスがあるのではないかと思ったから。 佐藤雅彦の『毎月新聞』のなかで「パッケージがキレイで開けられないことがストレス」といったエピソードがあった、気がしたのだが、久しぶりにページをめくってもその箇所が見当たらなかった。代わりに「日常のクラクラ構造」「たのしい制約」「ネーミングの功罪」「かもしれないグッズ」など、『つくづく』の素となるエピソードが数多く載っている。折に触れて思い出す本ではあったが、創刊号を除くこれまでに出した『つくづく』のほとんどが、この本に影響されているーーカラーボックスなのであった。 と、もう一度読み返していたら、「ストレスフリーという考え方」として掲載されていた。該当箇所を引いてみる。 「何年か前、ある紅茶の商品開発をしたときのことである。非常に美しいパッケージが仕上がり、スポンサーにもスタッフ内でも評判がよかった。しかし、実際に発売されてからそのデザインが、ある特別なストレスを生んでいることを発見したのだ。(中略)飲料などの消費財は日常的に飲んでもらうのである。絵画のように飾られても意味がないのだ。」(『毎月新聞』毎日新聞社 ,2003/3/1,p.48-49より引用) 雑誌は読み捨てられることを前提としているが、書籍はある程度長く手元に置くことを前提としている。結果、買ったことに満足し、キレイな状態を保ちたくなり、インテリアと化すーー。これに対する「つくづくのタオルブック(つくづく vol.6)」だったのだが、結果的に同じストレスを読者に与えているのかもしれない。 *** 久しぶりに簡易的なフィルムカメラが欲しくなって「KODAK Film Camera」を買ったのだが、ぼくは開けることができなかった。この状態を保ちたいと思ってしまった。このストレスを軽減するためだけに刊行されたのが、『つくづく vol.13』なんじゃないか。 ちなみに2020年9月27日現在、竹中平蔵が提示した「ベーシックインカム」に関する主張で話題となっている。そして、同氏と佐藤雅彦による『経済ってそういうことだったのか会議』が出版されるに至るエピソードも『毎月新聞』に載っている。好きだったあのひとがなぜ、といった話を最近よく聞くが、ブリスターパックを開けた瞬間に“魔法が解ける”ように、蓋を開けてみれば……といったことは、もっともっとあるんだろう。 ああ、またあたらしい自由研究が出来てしまった。